■位相調整器
位相調整器は、入力された信号の位相を変化させて出力します。位相制御方式に応じていろいろなタイプがあります。
(1) オクターブ・バンド方式
最もローコストで多く使用されているタイプです。90度ハイブリッド・トランスとバリキャップダイオードで構成され、直流電圧制御により、出力信号の位相を連続的に変化させることができます。周波数帯域は90度ハイブリッド・トランスで決定されます。
(2) 周波数変換方式
入力された高周波信号を一度、中間周波数に変換し、さらにもう一度元の周波数に変換します。この時用いる局部発振周波数信号の位相を変化させることにより、出力信号の位相を変化させます。このタイプは入力周波数が変わっても、位(移)相量は一定となる特徴があります。
(3) PLL方式
入力信号の位相と出力信号あるいは外部からの信号の位相を位相比較 し、フィードバック制御ループ内の遅延量により、出力信号の位相を変化させます。最も安定度の高いタイプです。恒温槽と併用しますと位相安定度が±0.1度以下も製作可能です。
(4) IQ方式
IQモジュレータを使用し、広帯域化をはかったタイプで、リニアリティに優れるという特徴があります。
・仕様に応じて設計、製作致します。(~3GHz)
・位相安定度は恒温槽を内蔵することにより±0.1度以内も可能です。
・外観、形状はNIM,JIS,EIA,ラック,小型アルミケース等,ご要望に応じてお選び頂けます。
・単体、機器組み込み、あるいはシステムとしてご利用頂け ます。
周波数帯域 ~3GHzのうち任意の単一周波数、オクターブ帯域、
複数のオクターブ帯域切り替えによる広帯域
入力インピーダンス 50Ω
入力レベル 0dBm
入力VSWR 1.5以下
入力コネクタ BNC,N,SMA他 各種
出力インピーダンス 50Ω
出力レベル 0dBm
出力コネクタ BNC,N,SMA他 各種
通過損失 0dB(増幅器内蔵タイプ)
周波数平坦性 ±1.0dB以内(帯域による)
高調波歪 -15dB typ
位相制御方式 ①オクターブ・バンド
②周波数変換
③PLL
④IQ
制御方法 直流電圧・ボリューム,10回転ポテンショメータ,デジタル量
制御分解能 連続、ステップ
可変量 360°以上
付加機能 増幅調整(リミッタ他),位相計,外部制御 他
電源 直流電源,AC100V
外観 NIM,JIS,EIA,ラック,小型アルミケース