■可変周波数高周波電源
   T162-7844A(60kW)・T162-8144A(120kW) パルス専用
本パルス電源は、イオン源プラズマ励起用に開発された大電力RFパルス電源で、発振部・出力制御部・電力増幅部・電力合成部・PLC制御部等から構成されています。

■特徴
広帯域:1.8MHz~2.2MHz以上を無調整でカバー
PLCを搭載:タッチパネルで操作・モニタが可能
ゲートパルスの監視機能が充実
発振部にはDDSを使用
パルス内での周波数スイープが位相連続で可能
外来ノイズに強いシールドラックを採用
将来のグレードアップが可能(60kW→120kW)

【T162-7844A 60kWタイプ】
発振部にはDDSを使用し、タッチパネル及びPLCを経由して外部での周波数設定及び読み取りが可能です。
また、3つのプリセット周波数(f1,f2,f3)を個別に設定でき、f1→f2→f3とパルス内で周波数を位相連続で変化させることが可能です。f1からf2、f2からf3への変化時間(スイープ時間)とf2の保持時間も、PLC等から設定及び読み取りが可能です。
出力制御部では、発振部からのRF信号のON/OFF、電力合成部に内蔵されている方向性結合器の検出信号を検波し、進行波及び反射波電力としてタッチパネルで表示させています。また、進行波検波信号を使用し、振幅安定化のためにパルス内でフィードバック制御を行っています。
電力増幅部はCW(連続波)で約600W出力する広帯域アンプ基板を、パルス用に改造した16枚のアンプ基板を合成して約8kW出力のアンプユニットとし、1筐体に収容しています。
また、FETのドレイン電圧を140Vとし、一般的なFETアンプのドレイン電圧である48Vに比べて3倍近く高い電圧で使用し、ドレイン電流を約1/3に抑えています。そのため、ドレイン電源ラインでの電圧降下が低減され、サグの少ない良好なパルス波形が出力されます。
電力合成部は、8kWのアンプユニットを8合成し60kWの高周波電力を出力します。
電力合成部内には、方向性結合器を内蔵し、進行波電力及び反射波電力を検出すると共に、検出信号は検波され出力電力のフィードバック制御にも利用されます。
PLC制御部では各アンプユニットの状態を監視し、RF ON/OFFや出力周波数の設定及び読み取り、外部より入力されるゲートパルスの繰り返し周波数及びパルス幅を読み取り、パルス幅とデューティを監視しています。また、PLCのラダープログラムは、EPICSドライバに準拠して作成され、上位制御系とEthernetによる通信機能を持ち、容易に上位システムに組み込むことが可能です。
組み込みラックには導電性の良好なアルミ材を使用し、アース特性及びシールド特性を向上させ、周囲ノイズの大きい場所でのノイズ混入を防止しています。

【T162-8144A 120kWタイプ】
前述T162-7844A 1台と、T162-7844Aから発振部及びPLC制御部の一部を取り除いた1台(T146-7844B)、及びT041-8144Aと接続用同軸管を組み合わせ、PLCソフトを変更し出力電力を120kWに増力した物です。

▲T162-7844A(60kWタイプ)

▲コントローラ

▲方向性結合器

発振周波数帯域 1.8MHz~2.2MHz
設定分解能 1kHzステップ
定格出力電力 60kW/120kW以上 (P1dB) (1.8MHz~2.5MHzにおいて)
最大パルス幅 1.3ms(最大2msまで延長可能)
最大パルス幅監視 0.1ms~2ms内を0.1msステップで設定
最大繰り返し 50Hz
最大デューティ 10%
最大デューティ監視 5%~10%を0.1%分解能で監視
最大許容反射電力 反射電力10kW/20kWを許容
ただし、パルス立上り及び立下りから50μsは、全反射を許容
負荷不整合時動作 反射電力が10kW/20kW以上の場合、パルス出力を停止
約1秒経過後に自己リセットして再度出力、問題が解決するまで動作を繰り返し
パルス応答 立上り:1μs以内(10%→90%) 立下り:1μs以内(90%→10%)
高調波出力レベル -30dB以下(定格出力 50Ω負荷において)
RF出力コネクタ WX-77D 同軸管
RF出力モニタ -60dB±0.5dB 進行波及び反射波(2MHz±0.2MHzにおいて)
RF出力モニタコネクタ BNC-FEMALE
外部RF入力コネクタ BNC-FEMALE
外部RF入力レベル 0dBm以下
冷却方式 強制空冷
電源 AC200V 3相 50Hz/60Hz 30kVA以下(60kW) /30kVA 2系統(120kW)
動作周囲温度範囲 0℃~+40℃
外観 19インチJIS標準ラック (2連結/4連結)
外形寸法 1,140/2,280(W)×2,300(H)×900(D) (mm)
高さには、ベースマウント(100mm)及びアイボルト(50mm)を含む

【オプション】
(1)増設用半導体パルスアンプ T146-7844B
導入済みのT162-7844Aを改造して増力するときに必要なパルスアンプです。T162-7844Aから発振部・タッチパネル・一部のPLCモジュールを除いた物です。増力には電力合成器T041-8144Aや同軸管が別途必要になります。
(2)120kW電力合成器 T041-8144A
60kW電源を2台組み合わせ、120kW電源として使う事が出来ます。ご使用頂くには、本合成器とは別に2台の60kWアンプ出力と本合成器の入力を接続する、同じ長さの同軸管が2組必要となります。
(3)方向性結合器 T051-8144A
電源出力と負荷を接続する同軸管の途中に挿入し、進行波及び反射波を測定する為に使用する同軸管方向性結合器です。各電力合成器には方向性結合器が内蔵されていますが、負荷直近での測定などにご使用ください。